大切な文化財ですので、 現況を変えないように補修し、磨き上げました。
この建物は、母屋と客殿に分かれ、 渡り廊下でつながっています。 母屋、蔵は数年前に改装され、管理されていました。 当方で手掛けさせていただいたのは、 手付かずのままで放置されていた客殿の改装です。 室内の壁塗り替えと灰汁洗いに最も神経を使い、 時間を掛けました。
素材を活かすことを徹底
【室内の補修】
●崩れ落ちていた砂壁は、現況の素材に近いもので塗替えを行いました。 ●縁側の床板、襖、障子桟なども、現況の姿を変えないように部分補修を実施しました。(予算の都合により、柿渋など自然素材での着色が叶わず、化学塗料で色付け) ●一部の部屋を黒漆喰いで塗り替えました。 ●柱、梁などは灰汁洗いを徹底し、素材の木目などをきれいに浮き立たせました。
【雨戸補修】
●雨戸の戸板は、腐食や割れの部分を取り替えました。
【外壁補修】
●剥がれていた外壁の漆喰を塗り替えました。